装幀

三日続けてBOOKSに載せた3冊の装幀はそれぞれ「故六隅許六」「六隅許六」「世亭巴丹」となっている。 が、これらはいずれもフランス文学者、渡辺一夫の別名。自著ばかりでなく、この場合の中野重治のように他の人の装幀も行っている。

「ふらんす文学襍記」の場合は、表紙はLe Grant Kalendrier Des Bergiers(表記ママ)(羊飼いのカレンダー?)から、裏表紙や各章の扉頁の挿画はAlbert Robida(1848-1926、フランスのイラストレーター・風刺画家)の戯画集から採ったとある。このように自筆とは限らないのだろうが、とても心惹かれる絵が使われていると思う。

特に「トリビュラ・ボノメ」の著者名・訳者名の部分には経年のせいもあり目立たないが、繊細な絵が描かれている。配色も美しい。扉頁も含めレイアウトがまたいい。 

手文庫 tebunko

抜け道のような路地の傍らの小さな店です。 日本文学・外国文学の文庫が中心の古書店です。手づくりの雑貨も置いています。 ――合わせて“手文庫” 文芸書、趣味の本、絵本も取り扱っています。ポストカードもあります。 本の手触りをいとおしみ、手から手へ。

0コメント

  • 1000 / 1000