金木犀

毎年、10月の声を聞くとともに必ずと言っていいほど漂ってくる金木犀の香り。今年は自宅近くの大きな木の傍を通っても何も香ってきませんでした。実はこのお宅、しばらく前からどなたもいらっしゃらない様子。それでも庭木はどんどん伸びて道まで大きく張り出してきていました。そのため区役所かどこかが出張してきて形も何もかまわず張り出している金木犀や梅の枝々をばっさり伐り落として行きました。境界線に沿って削ぎ落とされたような樹形になってしまっています。10月になっても咲かないのは大いに伐り落とされたために木の勢いがなくなってしまったのかと緑一色の枝を見ながら思っていました。ところがいつもより2週間ほど遅れた先週になって花は咲いたのです――香りと共に。10月になっても残っていた夏のような暑さのために咲くことができなかったのですね。高い木にびっしりと花をつけていました。その後の度々の風雨のために今はもう散ってしまいましたが。

 いよいよ明日から「神田古本まつり」が始まります。雨の心配される幕開けですが。当店は先日ご案内しましたように25・26日共、夕方にしか開けることができないのですが、27日(日)は営業いたします。その日は“古書たなごころ”さんも貴重な本と共にいらっしゃる予定です。こちらもお楽しみにどうぞおでかけください。

手文庫 tebunko

抜け道のような路地の傍らの小さな店です。 日本文学・外国文学の文庫が中心の古書店です。手づくりの雑貨も置いています。 ――合わせて“手文庫” 文芸書、趣味の本、絵本も取り扱っています。ポストカードもあります。 本の手触りをいとおしみ、手から手へ。

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